マリア・カラス 伝説のオペラ座ライブ

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1958年12月19日、史上最高のディーヴァとして、その一挙手一投足が世界中の注目を集めていたマリア・カラスは、満を持してパリ・オペラ座にデビューした。
客席にはフランス大統領をはじめ、ブリジッド・バルドー、エリーザベト・シュヴァルツコップ、ミシェル・モルガン、イブ・モンタン、ジュリエット・グレコ、ジェラール・フィリップ、ルイーズ・ド・ヴィルモラン、チャーリー・チャップリン、ジャン・コクトーなどなど綺羅星のようなセレブリティが並び、劇場の外にも歌姫を一目見ようという人々が詰めかけた。
本作は、その記念すべきガラ・コンサートの全てを撮影したライブ映像で、現存するマリア・カラスのアーカイヴ・フィルム中、最も完全な形で絶頂期の彼女の姿を伝えるものである。
特にコンサート後半に上演される「トスカ」の第二幕は、カラスが残した唯一のオペラ上演映像で、私たちは伝説的なその演技を目の当たりにすることができる。
世界初となる今回のスクリーン上映で公開されるのは、序曲演奏などを含めたコンサートの全貌が明らかになる完全版。バックステージでのマリア・カラスを捉えた貴重なショットや、ガルニエ宮時代のパリ・オペラ座も必見!


「マリア・カラス 伝説のオペラ座ライブ」

・ラ・マルセイエーズ(フランス国歌演奏)
・ヴェルディ『運命の力』序曲
・ベッリーニ『ノルマ』より《清らかなる女神よ》ほか 共演:ジャック・マルス(バス)
・ヴェルディ『イル・トロヴァトーレ』より《恋はばら色の翼に乗って》《ミゼレーレ》 共演:アルベール・ランス(テノール)
・ロッシーニ『セビリアの理髪師』序曲
・ロッシーニ『セビリアの理髪師』より《今の歌声は》
・プッチーニ『トスカ』第2幕
    共演
    ティト・ゴッビ(バリトン:スカルピア)
    アルベール・ランス(テノール:カヴァラドッシ)
    ルイ・リアラン(テノール:スポレッタ)
    ジャン・ポール・ウルトー(バス:シャルローネ)

指揮:ジョルジュ・セバスティアン
演奏:パリ・オペラ座国立劇場管弦楽団、合唱団
収録:1958年12月19日 パリ・オペラ座(ガルニエ宮)

フランス/115分/モノクロ/モノラル/スタンダード/イタリア語(歌唱)・フランス語(ナレーション)/日本語字幕付き/配給:T&Kテレフィルム/(c)ina



共演者について

『トスカ』のスカルピア男爵を歌ってカラスに勝るとも劣らない名演を見せるティト・ゴッビ(1913-1984)は、20世紀のイタリア・オペラを代表するバリトン歌手です。法律を学んだ後に歌手を目指し、1936年にウィーンの国際音楽コンクールで優勝。1942年にはスカラ座にデビューを果たしますが、戦争によってキャリアの中断を余儀なくされます。戦後はヨーロッパの主要劇場に次々と出演を重ね1952年にはカラヤンが音楽監督を務めるザルツブルグでドン・ジョヴァンニ、1956年にはメトロポリタン歌劇場にスカルピアでデビュー。ヴェルディやプッチーニを中心に100以上の多彩な役柄を演じ、50年代から60年代を通して多くの重要なレコーディングを行いました。1979年に舞台から引退。本公演時はキャリアの頂点にある時期で、カラスと共に歴史的な名演、名歌唱を聴かせています。

トスカの恋人、カヴァラドッシを演じ、『イル・トロヴァトーレ』でもマンリーコ役で声の出演をするアルベール・ランス(1925-2013)は、オーストラリア生まれのテノール。1950年にメルボルン・オペラでカヴァラドッシを歌いデビュー、オーストラリアを代表するテノールとして活躍した後にフランスに渡り、1955年にコミック座でカヴァラドッシを演じてパリ・デビュー。フランスでも大きな成功を収めました。1970年代はストラスブールのライン国立オペラで活躍し、引退後はニースの音楽院などで後進の育成に力を尽くしました。


パリ・オペラ座 ガルニエ宮について

1669年に創設された「音楽アカデミー」から始まるフランスの王立(国立)歌劇場は、時代とともに公演劇場も転々と変わりましたが、1875年に設計者のシャルル・ガルニエの名が冠された専用劇場が落成して本拠地となり、それ以来「パリ・オペラ座」と言えばガルニエ宮、ならびに公演団体である国立歌劇場(現・パリ国立オペラ)のことを指すようになりました。現在パリ国立オペラの公演は、1989年に完成したオペラ・バスティーユとガルニエ宮を併用して行われています。
現在のガルニエ宮の天井絵はあまりにも有名なシャガールの「夢の花束」ですが、これは1964年に描かれた二代目の天井画で、本作品で映るのはジュール=ウジェーヌ・ルヌヴー(1819−1898)が描いた初代の天井画「夜と朝の女神たち」です。その複製画はオルセー美術館に収蔵されています。